生体肝移植の継続を求める患者支援の会の声明

Posted by on 7月 1, 2015 in 未分類 | 1 comment

生体肝移植の継続を求める患者支援の会の声明

平成27年7月1日

厚生労働省 御中
神戸市 御中
報道機関各位

特定非営利活動法人メディカルルーツ
理事長 蛭田 位行

 

 私たちNPO法人メディカルルーツは、肝臓移植を受けた患者・家族を中心に設立したNPO法人で、肝臓移植治療を受ける患者・家族及び関係者からの相談を受け、支援する事業などをしています。

 私たちは今回、神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)に関する日本移植学会や日本肝移植研究会の対応、神戸市のコメント、メディア各社の報道等に接し、それらが患者側の意見や感情から大きく乖離したものであることに深い悲しみと憤りを覚え、以下の通り声明を発表致します。
 まず、今回生体肝移植を受け、残念ながら亡くなられた方々に対し心よりご冥福をお祈りいたします。
 私たちNPO法人のメンバーには、生体肝移植を受けた後、亡くなられた方のご家族もいます。ご遺族のご心中いかばかりかとお察し申し上げます。

 それでも、私たちは、肝臓移植を受けた患者・家族として、また肝臓移植を受ける患者・家族を支援する組織として、今後もKIFMECが生体肝移植を継続できることを強く要望いたします。

 平成27年6月9日に日本移植学会と日本肝移植研究会から、KIFMECに対して生体肝移植の自粛が要請され、平成27年6月12日には神戸市からもKIFMECに対して改善要請をしておられ、6月29日には日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会からもKIFMECに対して要望書が出されたとのことですが、私たちは、KIFMECという貴重な生体肝移植の専門施設が失われ、重度の肝疾患の患者が生体肝移植を受ける機会を失うことにならないかと強く危惧しています。

 肝移植を受ける患者は、重い肝疾患で他に治療法が無くなった人がほとんどで、肝移植は最後の頼みの綱です。しかし、脳死肝移植の数は非常に少なく、再生医療もまだ実用段階には至っていないため、生体肝移植が実質唯一の治療法となっています。しかも、残念ながら生体肝移植も実施できる施設や手術件数が減少しています。このままでは、重い肝疾患の患者は、最後の頼みの綱である生体肝移植という治療を選ぶ機会すらないまま、死を迎えることになりかねません。

 また、平成27年6月6日の記者会見で日本移植学会の方が、KIFMECでの生体肝移植後の患者さんが亡くなられたことに関し、「移植医療の信用を失いかねない」と発言されたと報道されましたが、このことに私たちは強い反発を覚えます。「移植医療の信用」と聞くと、移植手術の高い成功率を目指すことを連想しますが、その目的を達成しようとする反面では、リスクの高い患者は移植治療の「適応がない」とされ、生体肝移植という選択肢が与えられないまま、死を迎えることになりかねません。患者が救命のための治療を選択できる機会を奪われ、「移植医療の信用」を守るのは、本末転倒ではないでしょうか。
 もちろん、生体肝移植では健常者であるドナーの負担もありますので、ドナーの負担や、手術のリスク、成功の可能性を慎重に判断する必要があること、患者とドナーへの説明も丁寧にされる必要があること、肝移植を行う施設が医療の体制を十分整える必要があることは、私たちも十分理解しています。その私たちから見たこれまでのKIFMECの実績は、「9例中5例が死亡」ではなく、「肝移植手術を行わなければ死亡したはずの患者9名のうち4名の命を救った」と評価しております。

 私たちメディカルルーツのメンバーの中には、KIFMEC理事長の田中紘一先生の率いるチームで生体肝移植手術を受けた者も多くおります。田中紘一先生のチームは、患者・家族のためだけを考えており、生体肝移植の適応を判断するにあたっては、患者・家族の希望や考え、ドナーの負担も含めて、私たちと一緒に考えてくださることを私たちは身をもって知っています。 KIFMECの医師はもとより、看護師、コメディカルや他のスタッフ全員が患者の命を第一に考え高い志をもって全力で患者に寄り添い治療して頂いている事も実感しています。
 その田中紘一先生のチームが無謀な肝移植をするなどということは考えられませんし、田中紘一先生のチームが行ってくださる生体肝移植は、患者・家族にとっては希望であり、救いです。今後も、田中紘一先生とそのチームには患者・家族のためにこれからも生体肝移植を行っていただき、その姿勢を次の世代の医師達にも伝えていただきたいと思います。

 私たちは、肝臓移植を受けた患者・家族として、また肝臓移植を受ける患者・家族を支援する組織として、今後もKIFMECが生体肝移植を継続できることを強く要望いたします。

 

以上

1 Comment

  1. KIFMEC生体肝移植が継続出来ることを応援しております。

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